奇跡4


『豊潤なコンゴリーズ・ルンバの深い味わいに、
 レゲエとファンクのビート。
 どんな逆境にも負けない屈強の魂を持った車椅子の男達。
 大感動のステージを体験せよ!』
アフリカの生んだ新しいミュージック・シーン、
スタッフ・ベンダ・ビリリ日本公演のチラシ文句である。
「ベンダ・ビリリ」とは「外見を剥ぎとれ!」という意味だそうだ。
「内面(の精神)を見よ!」
「外見は不自由でも精神は最大限に自由だ!」
という、彼らからのメッセージだという。
メンバーの多くは、小児麻痺などを患って身障者となったコンゴ人だ。
彼らには、もともと家がない。
キンシャサの路上に生活する、要するにホームレスだ。
生きるだけで精一杯の彼らが、
ある者は空き缶と針金で作った楽器を携え、
別の者は箱と竹で太鼓を作り、
路上で拾ったものから楽器を作って、
誰もいない動物園で練習する。
コンゴリーズ・ルンバから、ソウル/ファンクやレゲエなどの要素が加わった
躍動感溢れるその音楽が欧米人プロデューサーの目に止まり、CDを作成、
ヨーロッパのコンテストに招かれてブレークしてしまったのである。
先日、友人に誘われて、私もそのドキュメンタリー映画を観たが、
こんなことが本当にあるのかと思い、目を見張った。
「もう一つのキンシャサの奇跡」
それが、このグループにつけられた別名だ。
何が“もう一つ”なのか、
多くの人はよくは知らないまま、
映画は今年のカンヌ映画祭の話題をさらっていった。
ところで……


10月14日の<木曜くらぶ>は、
山上の垂訓の続きを解説する。
有名な「真福八端」の後、イエスは初めて、
自らが律法を破壊するためではなく、
これを完成するために来たことを明らかにしていく。
その言葉は鮮やか、というよりむしろ革命的で、
初めて聞いた者は驚愕したことだろう。
いつでも、どこの国にも奇跡はあるが、
もっとも深くて新しい奇跡がイエスの言葉のなかにある。


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