3年前の夏に始まった【ヨハネによる福音書】解説は、
とうとうここへきて第20章、イエスの復活のシーンまで来た。
聖書によれば、イエスが十字架上で亡くなって三日目、
マグダラのマリアが墓を見に行ったところ、そこに遺骸はなく、
イエスを包んでいた亜麻布だけが置いてあった。
この聖なる布を誰かが大事に保管していたとしても、
まったく不思議はない。
私がその場にいれば、やはりそうしようとするだろう。
ただし、それが2000年も経ってなお保管されているとしたら、
さすがに驚嘆に値する。
聖書の記述によると、十字架から降ろされたイエスは、
没薬、沈香などを塗布され、亜麻布に包まれて埋葬された。
特別な安息日に入る直前のことであったので、
その作業は相当に急いでなされたはずだ。
そうして、三日目に蘇るまでの約36時間の間に絶妙の化学反応がおき、
人の姿がネガのかたちで写し出されたとされる。
そしてこの写ったものを分析することで、
十字架を担った道行で、そして十字架上でこの人がどのような状態であったかが、
かなり詳細に分析できるのである。
中学1年のとき、初めてこの布の話を聞いたとき、
神父さんがこう言った。
「考えてごらんなさい。人類の歴史上、
ただ一度だけ神が降臨してきたとしたら、その方は……
自分の姿を“写真”に残そうとしないでしょうか……」
6日の<プレマ・セミナー>では、
人類の贖罪の業であった十字架の道行が聖書にどう描かれているかを詳細に見、
同時に、この布から分析できるイエスの最期の様子について、
可能なかぎりの解説を試みる予定だ。
【事務局より】
“最新刊”『アガスティアの葉』完全版は、
全国の書店(10日配本)にさきがけ、明日、5日の午前、
青山先生宅に到着します。そのままサインを始め、
6日のセミナーに間に合うようお持ちする予定です。
トリノの聖骸布