4月12日(二日目)-5
シンガポールの乗り継ぎ便に必ず待ってもらっていてくださいなどと、
客室乗務員に言ってもそれは無駄だ。
だから、地上職員に、いやというほど頼んできた。
だが彼らは、飛行機を必ず待たせておくとは最後まで明言しなかった。
シンガポールで買うはずだった、
インドで特別にお世話になる方や、
慈善活動を助けてくれる方たちのためのお土産もすべて諦める。
今や、この日のうちにインドにたどり着けるかどうか、
したがって、サイババに一目会えるかどうかの瀬戸際なのだ。
そんな状況であることは、皆さんには十分伝わっていない。
昨日のホテルで一応休養がとれ、今朝の出発も遅かったので、
機内では、皆さんすこぶるリラックスされている。
K1の勇者大山峻護君は前日が誕生日で、
フライト同様、スライドしてこの日にお祝いする。
他にも、シンガポール航空の機内サービスは充実していて、
たとえば、映画『おくりびと』を早くも観ることができる。
機内でうるうるしている方がおられて、
出発が遅れて、または日本を離れて泣いているのか、
またはサイババに会えないかもしれないと思って泣いているのかと思ったら、
『おくりびと』を観て泣いておられたのだった。
私自身は、インドに着いてから皆さんにお話しする内容の勉強にいそしむが、
ときどき意識が戻っては、乗り継ぎ便がシンガポールにいることを祈った。
もし飛行機がいなければ……今日はシンガポールに泊まるしかない。
なおかつサイババが依然、プッタパルティにとどまっておられた場合は……
サイババを拝礼する機会は皆無になってしまう。
では、いっそのことシンガポール観光でもしていくか……。
そんな想念が、湧いては消える。
K1の勇者・大山峻護君の誕生日を機内で祝う
誕生日祝いの舞台裏
細かい指示を与える青山先生