旅日記6


7月6日-2
この日、5時間かけて、聖地ティルヴァンナマライへ。
『自分は誰か』を問い続け、
悟りを啓いた大聖者ラマナ・マハリシが瞑想した地へ向かう。
ティルヴァンナマライは、今でこそラマナ・マハリシで有名だが、
太古の昔からここは聖地だ。
地図

チェンナイ→ティルヴァンナマライは
東京→浜松くらいの距離

車中 先生

バランスを取りながら解説する
バス 窓

はるか前方に見える聖なる山
その昔、ブラフマー神とヴィシュヌ神との間に、
どちらが偉大であるかという論争が起きた。
至高の二神が争ったために世界は大いに乱れ、
困り果てた神々がシヴァ神に窮状を訴える。
シヴァ神は言った。
「今、私が光の柱となる。
その頂点か、一番底か、どちらかを見たものが真に偉大である」
これを聞いたブラフマー神は、白鳥に姿を変え、光の頂点を目指した。
が、シヴァ神の光の頂点を究めることは、ブラフマー神にもできなかった。
ヴィシュヌ神は、猪に姿を変え、地中深く掘り進んでいった。
が、もちろん、シヴァ神の限界を見ることなどできようはずもなく、
ヴィシュヌ神は自らの非力を素直に認めた。
ところで、シヴァ神の光の柱からは美しい花びらが舞い降りてきていたので、
その一枚をとってブラフマー神は言った。
「柱の頂点から花びらを持ち帰った!」
だが、その嘘を見抜いたシヴァ神は、
正直に自らの限界を認めたヴィシュヌ神を讃え、その勝ちを宣言した。
こうして戦いは決着を見たが……


これが、地上にブラフマー神の寺院がほとんどない理由であると神話は語る。
そうしてシヴァ神は、自らの無限の光を人間も礼拝できるようにと、
山に姿を変えた。
これが現在のティルヴァンナマライである。
山

目前に迫る聖地
光の柱

生命を象徴する光の柱(シヴァ神大寺院)


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