インドのゴアに到達した後、
ザビエルはインドからマレー半島の古都マラッカに渡ったが、
1547年、そこで出会ったのが鹿児島出身のヤジロウ(アンジロー)であった。
ヤジロウの話を聞き、いまだキリスト教のまったく伝わっていなかった日本に赴きたいという気持ちを強くしたザビエルは、
1549年、日本に向けて出立する。
歴史に「もし」はないとしても、
仮にもし、ザビエルが貴族としての栄達を目指したならば……、
もしゴアに派遣されたのが他の司祭であったならば……、
もしザビエルがマラッカでヤジロウに出会っていなければ……、
日本にキリスト教が伝わるのははるか後のことになったに違いない。
そうして現在……
日本国内でさかんに行なわれている布教、教育、社会福祉などの事業は、
これほどのものにはなり得なかったであろう。
キリスト教が日本人の心をこれほど豊かにしてくれることもなかったであろう。
私がイエズス会の学校に6年間も通うことはなく、
私の人生もまったく違ったものになっていただろう。
そうして今、皆さんがこのようなブログを読むことにもならなかっただろう。