ジンクスといえば、私がどうしても思い出すのは、
「バンビーノの呪い」である。
これについて、以前にブログに書いたつもりでいたのだが、
検索しても出てこないので、
書いたと思っていたのは私の印象の世界のことであったに違いない。
早く旅日記に戻れという声も聞こえてきそうだが……
野球について特に関心のない人も、
ベーブ・ルースの名前を知らないという人はいないだろう。
日本の中学の英語の教科書にすら、彼の話は出てくる。
このベーブ・ルース、しかしながら、
最初は投手だったことはあまり知られていない。
ボストン・レッドソックスに在籍した1914年〜19年、
彼は投手として、18勝、22勝、24勝を挙げた。
さらに、登板のない日は野手として出場し、
6年間で3割を4度打っている。
当時、二桁ホームランを打てば大変なことだったのに、
19年にはホームラン29本を放ち、ダントツのホームラン王となった。
この間、ボストン・レッドソックスは6年間で3度、
ワールドシリーズを制している。
松坂が入団するとき、ボストン・レッドソックスを“名門”と書かれていたが、
実は当時、最下位の常連だったニューヨーク・ヤンキースなどに比べても、
レッドソックスははるかな名門であった。
ルースのピッチングと、豪快なホームラン見たさに観客はつめかけ、
フェンウェイパーク(今、松坂が投げている……)は連日満員の盛況だった。
ところが……、
ボストン・レッドソックスは、
そのルースをトレードに出したのである。
しかも、同格のスター選手との交換ではなく、
金銭トレードだった。
理由は単純で、球団のオーナーが本業の劇場興行に失敗し、
倒産を避けるためにどうしてもお金が必要だったのだ。
そこでルースは、万年Bクラスのお荷物球団ヤンキースに、
たかだか十数万ドルで売られていった。
ここから「バンビーノ(オコサマ:ベーブ・ルースの愛称)の呪い」が始まる。