高校教師 1


 昔、高校教師というドラマがあった。優しくてかっこいい真田広之(高校教師)と、ちょっとわがままそうな桜井幸子(もちろん生徒!)が繰り広げるドラマで、アンニュイな雰囲気のテーマソングと相まって大いにうけた。
 特に、赤い糸で互いの小指を結び、列車のなかで心中する最終回は、高視聴率をあげたという。最後の場面で普通の車掌が二人を見つけ、しかし死んでいることに気づかずに通りすぎるのであるが、あの車掌役の俳優さんは、その後どうしておられるだろうか。
 昔から、高校の先生になったら、どんなに楽しいだろうと夢見ることがあった。高校で教えて、午後5時になったら自宅に戻り、夜は宗教書や哲学書を読んで過ごす。そうしてまた、翌日には生徒に教え、5時になったら下校して……。そんな生活をたんたんたんと送れたら幸せだろう……などと想像したのである。
 高校の先生には高校の先生で、いろんな現実の苦労があるに違いないのだ。それでも、今も、同じようなことを夢想する。


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