ところで、過去のドル・円相場のなかで、
最大の円高というのはいつだったか。
実はそれは、95年ではない。
明治の頃、開国した日本とアメリカの間で為替が取り決められたらしく、
そのときのレートは、実に1ドル=約1円であった。
それから太平洋戦争開戦前までに紆余曲折を経ながら、
経済成長の違いにより1ドル=4円前後まで上がったが、
御存じのとおり戦争があんなことになって、
円は急激に切り下がった。
それでも、一気にそうなったわけではない。
終戦後、民間の相場が形成される前に、
軍用交換相場というのがあったらしく、それによると……
昭和20年頃には1ドル=15円
昭和22年頃には1ドル=50円
昭和23年には270円と、
徐々に円は切り下がっていった。
そうして昭和24年、1ドル=360円で固定され、
以後、20年以上にわたり、このレートが日本経済を決定づけることとなった。