イルカ2


 昔のフロッピーを検索していたら、何と偶然、イルカさん宛ての手紙が出て来た。彼女からの手紙に僕が返信して、それをラジオで紹介するという企画だったが、こんなことが書かれていた。
『……さて、前にもお話ししましたが、ぼくはカトリックの学校の寮で、中・高の6年間を過ごしました。広島の西のはずれの山の上に、学校と修道院と寮があって、その中で暮らしたんです。
 当時、友だちに歌の好きなのがいて、それが君のファンでした。そして、『なごり雪』という歌を教えてくれました。
「汽車が東京を離れて、木々の間を雪が舞って….ああ、なんちゅうロマンチックなんや….(広島弁じゃけん)」
 高校2年の頃、僕は友だちのこんな解説に聞き入ってました。
 去年の暮れに送ってくださったCDには、新たに心に残る歌がいくつも入っていました。これからも、いい歌を作り続けてください。人生は美しいものだということをぼくたちは信じたいと思い、そう思いつづけてなお、思い切れない部分があります。希望を失いかけた人に、おっと諦めるのはまだ早いよと教えてくれるような、そんな歌を作り続けてください。
 そして、CDが出来たら、どうかぼくに送るのも忘れないでください……』
 平成6年12月12日という日付けがついている。まだ、人生の青い時代のことである。


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