「どういう脈絡で語られたのかは思い出せないのですが、
このエピソードは、目に見えない世界の優位性や、
信仰の力の絶対性を信じきっていた20年前の私にとっては、
とても印象的な内容でした。
心のレベルの不調和が体にまで及んでしまった場合には、
物質レベルでの対処法も大切に考える必要があるのだと気づかされたからです」
……と、神学を専攻していた彼女は述懐している。
肉体上のなにかがあれば、われわれは普通……
まず物質的にどうにかしようと思うのである。
ところが、世の中には、それを最初から心の問題と感じ、
そのレベルでなんとかしようと考える人がいるというのが、
まことに尊くも興味深い。