記録5


私の両親はすっかり放任だったので、
子供の頃、漫然と無為に過ごした。
それが小学校のある時期から、
何でも目標なしで行なうということが嫌いになった。
自己流でやるのも好きではなくて、
可能なら何でも習いたがるようになった。
そのくせ、もの覚えが速いほうではなく、
というよりも、はっきり言って遅く、
いつも苦労した。
数年前、引っ越した隣がたまたまスポーツクラブだったが、
入る決心をするのに1年半かかった。
どうせ頻繁には行けないし、
それにも係わらず、
また何か目標をもってやり始めようとするのが怖かった。
案の定、100メートル個人メドレーをやってみると、
最初は2分半〜3分もかかって、
愕然としたのである。
それをなんとか2分までもってくることができたのも、
読者の皆さんのお蔭です……といわれても困ると思うが、
最近のタイムがだいたい2分15秒前後だったので、
これでも自分としては驚異的だ。
今回の人生で現実に役に立つことはないだろうが、
何回か生まれ変わるうちには、何かの局面で役に立つかもしれない。
それにしても申し訳ないのは……


こんなものを毎日読まされる読者の皆さんだ。
ごめんなさい。
くだらないことかもしれませんが、
こんなふうなこともたまにしながら、
日々、私は生きています。


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