第五回 〜トゥルーズ・ルルド・パリ・ヌヴェール〜 五日目


 聖女ベルナデッタは、ご出現の後、ヌヴェールの修道院に入った。そうして、病気と人間関係に苦しみ抜き、13年後に亡くなった。遺体は湿気のある地下に埋葬されたが、30年後、腐敗することなく発掘される。「ああ、イエス様。どんなにあなたをお慕いしていることでしょう……」
 そう言って亡くなったという聖女の唇は、ほんのりと紅をのせられ、今、われわれの目の前にある。
 修道院には、過 去二回、お世話になったシスター二宮の妹さんがおられた。
 過去の参加者をして、「ベルナデッタにも感動したけどシスター二宮にも感動しました」と言わしめた方は、姉妹でヌヴェール会に入っておられたのだ。黙想中だというお姉様に代わり、妹さんの案内で修道院をまわる。あくまで慎ましく、奥ゆかしいお姉様に対し、妹さんのほうは人の心を動かす言葉の力を持っておられる。神はそれぞれに賜物を与えるらしい。
 この日、修道院には四人の方が残り、聖女と一夜を明かす。どうしてもそうしたいというこの善女たちが、神々しくすら見えてくる。「斎藤さんは、今日、この修道院に残られます。これが今生のお別れです」
 そう言うと、バスはシンと静まり返った。しまった! 本気にされたらしい……。
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現在の聖女
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聖女の愛した「水のマリア」
と子供たち
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修道女4人衆と今生の別れ……


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