今日、郵政民営化論議がかまびすしい。新聞や雑誌、テレビが主として取り上げるのは、賛成派と反対派の攻防であって、法案の中身ではない。
こんな法案、成立しようが廃案になろうが国民生活には関係ないとばかりに、まるで人ごとのようだ。
だが、本当にそうだろうか。今、一見うまくいっているように見える郵政公社がじり貧に陥るであろうことは誰もが知っている。郵貯・簡保の巨額マネーは、営々として無駄な公共事業や特殊法人のために浪費され続け、特殊な立場にいる人びとによって食い物にされてきた。
最終的には膨大な税金がその補填に充てられることになるだろう。当然、将来は郵便局の数も減らすことになるだろうし、人員も整理せざるを得なくなる。
国鉄の処理には巨額の税金が投入され、今も投入され続けているが、今のうちに郵政を民営化したなら、法人税が国庫に入るようになり、将来は株の売却もできるだろう。
遠い将来、郵便料金が全国一律でなくなるかもしれないなどという瑣末事をまるで郵政事業の根幹であるかのように喧伝し、国民の目を幻惑していてよい場合だとは、私には思えない。
青山圭秀
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