巡礼


7年前、『大いなる生命と心のたび』でバリ島に行った。そのとき、執筆を計画していたのが『最後の奇跡』だった。
聖母マリアが仙台の孤児院に住む、二人の孤児に現れる。出現と、人類の未来に関するメッセージが、なんとその後、毎日続いた──。
この粗筋は、いうまでもなく、1981年から実際に毎日ご出現があったメジュゴリエをモデルにしている。なにしろ、あのルルドでも聖母は18回、ファティマでも6回しかご出現されていない。
聖母が毎日現れ、複数の人間と同時に、しかも別々の話をするなどということを、普通の人間がどうやって考えつくだろう。私が考えるのなら、もう少しありそうなことを考える。
そのとき、バリで小説の構想を話したところ、なんと、旅行参加者のなかに一人、聖母マリアを見たことがあるという女性がいた。彼女がまことに常識的かつ正直な人だったので、私はその話に大いに心打たれたのであった。
他にも、聖母を見た人を大変親しく知っている、という人がいて、この方もまた非の打ち所のない女性だった。高々4〜50人の旅行参加者のなかに、こういう方が二人もいたのである。


カテゴリー: キリスト教 パーマリンク

コメントを残す