礎石 5


シモンはがさつな男ではあったが、骨太で、純朴であったろう様子が、聖書のさまざまな箇所で垣間見える。イエスに心寄せる者のなかには、教養があったり、金持ちであったりした者はいくらもいただろうに、イエスはこのシモンをそばに置いた。
そうしてあるとき、イエスは言う。
『おまえはペトロである。わたしはこの岩の上に、わたしの教会を建てる。地獄の門も、これに打ち勝つことはないであろう』
ペトロとは、ラテン語で岩を意味する。ペトロという堅牢な岩の上に、イエスは自分の教会を建てると宣言した。ここから、名実ともにペトロがイエスの一番弟子であり、その後継者が教会の首長であるという解釈が生まれた。
ちなみに、ペトロは晩年、ローマへ布教に赴き、そこで殉教している。このことから、彼が初代のローマ司教(司祭たちを束ね、一定の地域の布教を司る責任者)とされた。その後継者は、依然、ローマ司教であるが、特にローマ法王と呼ばれ、カトリック教会全体の首長と見なされる。
その265人目の法王を選ぶ選挙は、日本時間の今朝0時、バチカンで始まった。


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