法王 2


そのとき、法王が負った肉体の傷が完全に癒えることは、遂になかったと伝えられている。そうして、「犯人を許す」との談話を発表したものの、法王自身は病身の身へと転じていった。
その法王の危篤が伝えられたのは、質問を受けた3日後だった。今回のも健康上の波の一つと高をくくっていた私も、決して楽観できる状況でなくなっていることを知り、驚いた。
ヨハネ・パウロ2世には、『大いなる生命と心のたび』でも、何度か謁見に拝した。カトリック教会の歴史上、偉大な足跡を残しつつある現法王が謁見可能な間に皆さんをお連れしたいという気持ちがなかったと言えば嘘になる。が、実際不測の事態が現実味を帯びてくると、なんとかふたたび回復していただきたいという気持ちが募る。
法王の故郷ポーランドを始め、現在、世界中で祈りが捧げられている。


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