ケネディ家の長女ローズマリーは、優秀な家系にあって一人、精神障害を持つ者として生まれた。
父パトリック・ケネディは彼女に、当時研究段階にあったロボトミー手術を受けさせ、廃人にした。それでも、この姉を支えたのが三女のユニス・ケネディ・シュライバー夫人であった。彼女は、障害のある人たちの可能性を伸ばすにはスポーツの効果が大きいことに気づき、1963年、知的発達障害の人びとのために自宅の庭を開放してデイキャンプを開いた。
運動はその後発展し、1968年には知的障害者のための第一回国際スポーツ大会として結実した。88年、国際オリンピック委員会(IOC)との間で「オリンピック」の名称使用や相互の活動を認め合う議定書を取り交わし、正式に「スペシャル・オリンピックス」として発足した。
健常者のためのオリンピック、身体障害者のためのパラリンピック、知的障害者のためのスペシャル・オリンピックス(SO)である。現在、160以上の国や地域が加盟、アスリートの数は100万人、活動を支えるボランティアは75万人を超える。
ケネディ家の母ローズ(中央)と、長姉ローズマリー(右)