パトリック・テリエ博士は、ルルドの聖母・国際医学協会会長であり、医務局の長を兼ねる。この方にお目にかかったのは、一昨年、学会と講演のため来日されたときだった。ルルドで起こる奇跡現象の医学調査を組織するこの方は、テレビなどでもお顔を拝見する。ルルドに来たら訪ねてくるようにと言われたのに、昨年は行くことができなかった。今年こそはと連絡をとり、この日、皆さんの前でお話しいただくことになった。
聖母のご出現以来、ルルドでは無数の奇跡が起きてきたが、教会から正式に奇跡と認定されるにはきわめて厳しい審査が要求される。通常、10年ほどかかる審査を経て認定された奇跡の主たちの写真や標本の並ぶホールに招かれ、博士の講演を聞いた。参加者のなかには、もっと知りたいと、資料をお願いする方も。
午後、博士にアレンジいただいて、ルルドの新病院を見学に行く。整った設備と、世界中からのボランティアの受け入れ態勢に驚く。ボランティアは、それぞれ胸にバッジをつけていて、われわれを案内してくれた方のバッジにはイギリス、フランス、ドイツ、スペインなどの国旗が描いてあった。つまり、これだけの言葉を話せますということなのだ。それに応じて、病気の方は、話しかける相手を選ぶことができる。
「ボランティアしてみたいけど、このバッジに日の丸だけじゃあ、ちょっと寂しいわね……」と誰かが言って笑わせる。
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ベランダで記念撮影