大変遅ればせながら、この場を借りて、
7日の新春講演会においでいただいた皆さんに感謝いたします。
おかげさまをもちまして、無事講演は終了、
どうなることかと懸念していたゲーム大会は、
講演より盛り上がって終了いたしました。
ときどき役者さんが、舞台は観客と一緒に創るもの、と言われますが、
こうした会は、まさに皆さんとご一緒に創り出すものだと実感した一日でした。
ところで、講演の後のゲームを勝ち抜いた皆さんに渡ったささやかな贈物について、
時間の関係で、その素性を明かすことはほとんどできませんでした。
しかし彼らについては、いくつかの忘れられない想い出があります。
ガネーシャ神のヤントラ。
これについては少しだけ説明しましたが、
初めて私が聖サバリ山に登ったとき、その記念に買い求めたものです。
この山に登るとき、
裸足で、大きな荷物を頭に載せた人びとはインド中の村々を出発すると、
まずガネーシャ神の寺院で参拝することになります。
新たに物事を始めるときには常に、
智恵の神であるガネーシャに祈りを捧げることになるからです。
さて、南インドはピラヤパティというところにガネーシャ神の有名な寺院があり、
そこでまず私たちはお祈りをしました。
通常、インドの寺院は夕方の7時頃には閉まってしまうのですが、
そのような時間帯になってもなお、ここは多くの巡礼者でごった返していて、
なかなかガネーシャ像の前にたどり着くことができませんでした。
しかし、やっとたどり着いたガネーシャ神はあまりに壮大で、
それに感動した私は、なにか記念になるものをと思い、求めてきたのがこのヤントラです。
銅板にガネーシャ神が彫られていて、
神聖な図形と、マントラが刻まれています。
以来、ずっと私の祭壇に鎮座されていました。
今回、どんな方がこれをお持ちになるのだろうと実は内心、興味津々でしたが、
どうやら被災地の仙台からおいでになった方がお持ちになったようです。
帰り際に、どんな場所にお飾りしたらよいかと質問をしてくださいました。
そう言えば、かつて私がインドに行く度、
せっせと白檀の神像を持ち帰っては周りの皆さんにお配りしていた頃、
ちょっとしたガネーシャ像をある女優さんに差し上げたことがあります。
その方は、名前を挙げれば誰でも知っているような有名な方ですが、
ここでは敢えて伏せましょう、次に会ったとき、こう言われました。
「あの象の置物、ありがとうございました。
うちのトイレに飾っています」
「!!……」
このヤントラをお持ちいただいた方には、
どこに置かれても結構ですよと申し上げましたが、
やはりトイレとかは……避けられたほうが無難でしょう。
いずれにしましても、新しい年にあたり、東北に行かれたあのガネーシャ神が……
昨年被災されたすべての皆さまに大きな福をもたらしてくださいますようにと、
祈らないではいられません。